シネマッド2019年5月号
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11◆新元号がスタートしました。清々しい気持ちで仕事に向かえます。1カ月前の新元号発表時の第一印象は、「令」の文字面が菱形なので不安定な感じが…。今後「令和の時代」を安定させられるか̶は政財官の皆さんの手腕にかかっています。◆それよりも、気になることがひとつ。言語学をかじった者として言わせてもらえれば、略記の「R」はおかしいと思います。皆さん「れ」を言い始める時、唇は横に引き、舌の先は上の歯の根元か歯茎に付いているはず。これは「L」の発音です。◆片や「R」は、唇は「う」の形、舌は引き気味でどこにも接していないのです。英語の「Light」と「Right」の発音で確かめてみてください。そんな訳で「令和」の略記は「L」にすべきだったと思うのですが、時すでに遅し。総理や官房長官の周りに外国語のできる人はいなかった?◆ま、日本人は奇妙な和製英語や外来語、極端な略語が好きな民族で、昨今は文書や会話にも横文字が飛び交い、付いて行くのが大変です。表記も「V」を「ヴ」とするのが増えています。じゃあ「L」と「R」、「S」と「TH」の違いの表記も“工夫”してみてくださいな。もっと言えば英語の「ア」には「」「」「」「」などいろいろありますけど…。 ◆ともあれ、日本語として定着した外来語は日本語らしい表記で十分だと思いますし、流行のカタカナ語を使うより、美しい日本語を使うことが肝要です。手始めに『万葉集』の勉強から。そういえば近所の店に「令和の幕明け」という手書きポスターが。正しくは「幕開け」ですよと店長に耳打ちしました。【良】令和元年5月号●2019年5月1日発行 第17巻・第5号/通巻191号

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