シネマッド2019年5月号
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三には池田家がついた。のみならず、島ぐるみ家族のような〝関わり方〞に都会とは違う空気を吸った若者三人は抱えていた悩みが薄れていくのを感じるのだった。 その頃、徹は〝過去〞の微かな断片が蘇りはじめ、それを察した信子は門脇にも相談し、思い切った行動に出て徹の〝十二年間の空白〞を埋めて再起を促そうとする…。HIROがTAKAHIRO初主演作を提案し、錦織監督が島留学を題材に―と応え、そこへ劇団EXILEで脚本・演出経験もある俳優の秋山が加わって隠岐での生き生きした物語が練り上げられ、二十回にわたる改稿の後にクランクインした。TAKAHIROは漁師役に成り切るためスターのオーラを消し去って肉体改造にも取り組み、港町の風景に溶け込んだ。ベテラン松坂らの〝お手本〞もあって、初主演とは思えない好演をみせている。錦織流のヒューマン感動作がまた誕生した。物語の展開に寄り添う隠岐の美しい景色がジワリと心に染み込む。雄一が教育ママに語る「ここでは独りにしてくれないんだ」という言葉どおり、島ぐるみ家族のような人情が温かい。〔良〕○C2019「僕に、会いたかった」製作委員会

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