シネマッド2019年6月号
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二 二年半前に秀作『湯を沸かすほどの熱い愛』で商業映画界デビューし日本アカデミー賞などの映画賞で計三十四部門に輝いた中野量太監督の第二作『長いお別れ』(5月31日から八丁座ほかで公開)が注目を集めている。その詳細を紹介。2007年の秋、東京郊外の東家に家族四人が久しぶりに集まる。かつて校長も務めた厳格な父・昇平(山﨑努)の古希の誕生日を祝うため、母の曜子(松原智恵子)が号令をかけ、夫の転勤でアメリカに住む長女の麻里(竹内結子)は急いで帰国、スーパーの総菜売り場で働く次女の芙美(蒼井優)も駆けつけた。その場で曜子は娘たちに、半年ほど前から昇平が認知症のような症状をみせていると明かす。 2009年の夏、カフェ経営を夢見ていた芙美は当面ワゴン車で移動ランチ販売を始めたが、売れ行きは思わしくない。一方、麻里は息子の崇(蒲田優惟人)を連れ、夏休み帰省と称して母を手伝いに帰る。そんなある日、昇平がふらりと家を出た。皆んなが手分けして探す中、老人は芙美の幼馴染み・道彦(中村倫也)や崇と仲良く土手に座っていた。芙美がワゴン車で駆けつけ、ほっとして自慢のカレーライスをご馳走すると昇平は旨いと絶賛、道往く人たちに声をかけて行列をつくらせる。 様子を見ていると、どうやら昇平は生家に帰りたがっているようだ。そこで曜子は麻里と芙美を伴い電車で昇平を〝里帰り〞に連れて行った。古いアルバムを見ながら馴れ初めを話して聞かせる曜子に、麻里たちは夫婦の有りようを感じるのだった。帰りの電車で昇平は突然、若い頃のようにプロポーズする。曜子は驚き記憶を失っていく老父が教えてくれる真の家族愛秀作『湯を沸かすほどの熱い愛』に続く中野量太監督第2作ひがし
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