映画・TV新着情報

『この世界の片隅に』サロンシネマ・八丁座でロングラン1年超

この世界の片隅にP S 昨年の11月12日に公開されるや話題を呼び、キネマ旬報ベスト1に選出されたのを機に各地で大ヒットを記録したうえ、“聖地巡礼”で舞台となった呉・広島を訪れる観光客が今なお絶えないほどの人気を集めているアニメこの世界の片隅に(片渕須直監督/声=のん)。現在、全国で唯一、継続上映している「序破急」(サロンシネマ八丁座)のロングランが1年を超えるまでになり、動員総数も4万人に迫る勢いと同劇場の記録を更新している。
 そこで公開1周年を記念して片渕須直監督舞台挨拶のため来広することになった。11月24日(金)に八丁座で、16時40分の回の上映前(15分程度の予定)。ちなみに、片渕監督の舞台挨拶は「序破急」では通算7回目となる。
 また、11月9日(木)〜21日(火)には八丁座の入る「福屋八丁堀本店」の8階催事場でこうの史代原画展を開催している。
八丁座=℡0825461158

初めて惨状を描いた秀作「ひろしま」がデジタル・リマスターで蘇った!

 戦後、GHQの統治で日本の映画界はチャンバラなどが禁止され、特に原爆の被害に関するものは厳しく検閲されていた。が、サンフランシスコ講和条約により晴れて“独立国”となったのを機に新藤兼人監督の『原爆の子』が公開され、次いで関川秀雄監督ひろしまで初めて被爆直後の惨状を生々しく描くことに挑んだ。当時、広島ロケでは延べ9万人にも及ぶ市民が手弁当で協力し、“生き地獄”を記録映像のように再現してセンセーションを巻き起こした。ひろしまdrmTS
 その秀作が独立プロ名画保存会の手でデジタル・リマスター版で蘇り今夏公開されて反響を呼び、要望に応えてアンコール上映されている(11月10日まで八丁座で)。ちなみに、昭和28年10月7日に初公開されたのは、当時の「福屋名画劇場」、現在の「八丁座」である。広島出身の月丘夢路がノーギャラで出演したが、その月丘が今年5月に亡くなったことから追悼企画として「八丁座」で上映したところ、今日にも通じる“ヒロシマの反戦・反核の声”を再認識するとして幅広い年齢層から絶賛の声が寄せられた。
 ことに、教師(岡田英次)と生徒たちとのディスカッションや、子供たちを探して焼け野原や救護所を彷徨する父親(加藤嘉)、死んだ子を抱き続ける母親(山田五十鈴)、そして多くの被爆者や原爆孤児たちの生き様を見るにつけ、非人道的な殺戮兵器である「核」を持つ国の指導者や政治家に是非とも見てもらいたい―と声を上げたくなる。
 なお、上映は連日10時30分から。入場料金は1,000円均一