シネマッド2021年7月号
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12◆幼い頃から中学生くらいまで「陽性」と「陰性」を取り違えて混乱することがしばしば。その原因は“漢字の表情”でした。◆まず「陽」は、「太陽」「陽光」「陽気」など、どれも明るくて生命力に溢れているイメージ。ところが、検査結果に限っては「病気じゃない、バンザ~イ」とはしゃぐどころか、「あなたは病人!」と宣告されて落ち込むことになるわけです。◆一方の「陰」は、「陰気」とか「陰湿」といった“マイナス”のイメージがあって、たとえ検査で「陰性でした」と言われても喜べないという先入観を持ってしまったようです。◆確かに、検査で「反応あり」→「+」=「ポジティブ」=「陽性」となるのは、理屈では分かるんですが…。日本語に訳す時に、例えば「病原あり」「心配なし」みたいに、子供からお年寄りにまで分かりやすい“表現”にしてくれていたら…。◆同様に、陰気な表情で陰湿な表現をする政府のお偉方たちがいくら「安心、安全」「前向きに検討」「総合的に判断します」…はたまた「金の問題はきれいになった」なんておっしゃっても、大方の国民は「ホンマかいな?」と、決してポジティブには受け取らないんじゃないですか。◆その点、良い悪いは別にして小泉元総理のように「自民党をぶっ壊す!」「どこが戦闘地域かと私に聞かれても分かるわけないじゃないですか」などなど大声で本音を発言していれば、その思考回路を垣間見ることができて、国民も「総合的に判断」する“材料”を聴き取ろうと政治に関心を持つわけです。◆あんな「明朗快活」な政治家が数人いて新型コロナ感染防止にあたっていたら…。例えば昨年初め、中国・武漢の感染拡大を知った時点で海外からの人流をシャットアウトし、すでに入国していた観光客は一旦隔離して検査をしたうえで陽性者の行動ルートも調査し…。豪華客船で感染者が出たと分かれば、直ぐ港に着けて乗客を陸の特設施設

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