シネマッド2021年7月号
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三 〝活動屋〞たちは涙を拭い、なんとしても作品を完成させることが稀代の役者・志村の供養になる―と信じ立ち上がった。山田監督はコロナ禍の現代を脚本に反映させたうえで、志村の盟友・沢田研二を起用、万全の感染防止対策をとって6月16日に撮影を再開した。家族愛を笑いと涙で描く現代編は7月10日に一旦終了したうえで、あの「ラストシーン」を12月1日に撮ってクランクアップ。これに山崎貴監督のVFX、野田の作詞・作曲による主題歌『うたかた歌』(歌=RADWIMPS+菅田)も加わって作品は完成した。ゴウこと円山郷直(沢田)は、ギャンブルに溺れ借金まみれのダメ親父。妻・淑子(宮本信子)や娘の歩(寺島しのぶ)、孫の勇太(前田旺志郎)にも迷惑をかけっぱなしだ。そんなゴウを、親友である名画座の館主・寺林新太郎(小林稔侍)だけは温かく見守っている。 青春時代、ゴウ(菅田)は撮影所の助監督、テラシンこと新太郎(野田)も映写技師として働いていた。活気あふれる現場で多くの名監督や俳優たちに囲まれ充実した日々を送っていたのだが、ゴウは念願の初監督作『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で負傷し、そのまま作品は幻に終わって、失意のゴウは仕事を辞め帰郷する…。     ※詳細次号円山淑子ゴウの妻(宮本信子)若き日の淑子食堂ふな喜の看板娘(永野芽郁)淑子の母(広岡由里子)「家族の会」主催者(原田泰造)桂園子銀幕女優(北川景子)円山歩ゴウの娘(寺島しのぶ)円山勇太ゴウの孫(前田旺志郎)水川テアトル銀幕のアルバイト(志尊淳)常連客(片桐はいり)出水宏監督(リリー・フランキー)キャメラマン森田(松尾貴史)円山郷直〔通称ゴウ〕借金まみれのダメ親父(沢田研二)若き日のゴウ撮影所の助監督(菅田将暉)寺林新太郎〔テラシン〕テアトル銀幕の館主(小林稔侍)若き日のテラシン撮影所の映写技師(野田洋次郎)約50年前現代弟のように可愛がる師弟アルバイト参加参加一緒に『キネマの神様』を撮る才能を再発見親友

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