四………………………………………………………………………キネマの神様〔監督=山田洋次/原作=原田マハ/脚本=山田洋次、朝原雄三/出演=沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、野田洋次郎、北川景子、宮本信子、小林稔侍、寺島しのぶ、前田旺志郎/’21 年/2時間5分〕 通称「ゴウ」こと円山郷直(沢田)はギャンブルに溺れた末に借金まみれとなったダメ親父。妻・淑子(宮本)や娘の歩(寺島)、孫の勇太(前田)にまで迷惑をかけっぱなしだ。そんなゴウを、名画座の館主でもある旧友の「テラシン」こと寺林新太郎(小林)だけは温かく見守っている。 若い頃、ゴウ(菅田)は助監督で、一方のテラシン(野田)も映写技師として撮影所で働いていた。活気ある現場で名監督や俳優、スタッフらに囲まれ充実した日々だった。中でもゴウたちは人気女優の園子(北川)に目をかけられ、撮影所近くの食堂の看板娘・淑子(永野)も加えて四人で休日を過ごすなど青春を謳歌した。 やがてゴウは念願だった初監督作『キネマの神様』の撮影初日に転落事故で負傷し、作品は幻に終わった。失意のゴウは仕事を辞め、帰郷する。彼に心を寄せていた淑子は母の反対を押し切り、身ひとつでゴウを追いかけた…。 時は流れ、勇太が古い脚本を手にする。あの『キネマの神様』だった。その物語に感動し祖父ゴウの才能を認めた勇太は、現代ふうに書き直し有名な脚本賞に応募しようと提案。ゴウは次第に往年の情熱を思い出しシナリオに向き合う…。……………………………………………………………………… 85歳のやさしいスパイ〔監督・脚本=マイテ・アルベルディ/出演=セルヒオ・チャミー/’20 年=チリ米独蘭西/1時間29分〕 ある老人ホームの虐待疑惑を調査するため雇われたのは、ごく普通の老人セルヒオ(チャミー)。携帯電話さえ使いこなせないのだが、懸命に秘密兵器を駆使して潜入捜査をする彼は、やがて入居者たちの良き相談相手になった。そこに現代社会の諸問題が浮かび上がってくる…。実在○C2021「キネマの神様」製作委員会
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