シネマッド2021年10月号
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「成すべきことを成せ」広島県中小企業共済協同組合理事長林 恵介さん●パーソナリティ玉田陽子〔オフィス・タマランズ代表〕 林理事長は40年ほど前、私が学生時代に通っていたアナウンス教室の同期生なんです。その後、それぞれラジオ・パーソナリティの道に…。林さんのCMナレーター・デビューは『木定楽器』。好評で10年以上も続いた『洋服の青山』など、広島の広告コンクールで受賞した数多くのCMに関わられました。実は当時、勤め先に内緒の“二刀流”でした。 現在は、創業者である御祖父さまの遺志を継ぎ「広島県共済」三代目理事長として、社業一筋で邁進していらっしゃいます。 今年の夏、その「広島県共済」のクライアントで、私がナレーターを務める録音がありました。その時、林理事長からディレクターさながらの的確な読みのアドバイスを頂戴し本当に楽しい充実感を味わうことができたのでした。40年ぶりの幸せな再会でした。 林さんのお勧めの映画は、即答で超大作『ロード・オブ・ザ・リング』(2001~03)と。ファンタジー冒険映画三部作で、完結編はアカデミー賞11部門を受賞。洋画は、役者の生の声とリズムや間を感じたいので、吹き替えではなく必ず字幕でご覧になるそうです。それはナレーターとしての神髄なのかもしれません。 また、“伝える力”がある日本語の字幕にも注目され、この映画の中で特に響いたのは、王になるべき男が迷っている時に背中を押された言葉「成すべきことを成せ!」。まさに自分への啓示だと強く心に刺さった一言とおっしゃいました。 さて、「広島県共済」は4年後に創立70周年を迎えられます。三代目として「これまで広島県内の多くの中小企業で働く皆さまからご支援をいただいてきたことに厚く感謝しています」と語られ、その眼差しと声は未来に向け輝いていました。 『ロード・オブ・ザ・リング』から心に残るセリフを最後にもう一つ。「今なら先祖に恥じずに死ねる」―。その言葉を胸に、80周年・100周年に向けて林さんの長い旅は続きます。〜その16〜1140年ぶりに仕事で再会した林理事長と喜び合い…

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