五県連はサジを投げてしまう。有美が落選すれば自分たちも仕事を失う―と谷村は必死に説得、なんとか無事に選挙公示日を迎える。 谷村の〝秘書力〞が奏功し、有美の人気はウナギ上り。しかし週刊誌に「川島が防衛大臣在任中、軍需商社から収賄か」という疑惑記事が載り大騒ぎになる。すぐさま公設秘書の向井（音尾）が〝トカゲの尻尾〞となり辞職するが、政策秘書の浜口（小市）たちが密談しているのを聞き、有美はキレて暴走をはじめる…。………………………………………………………………………Coda あいのうた〔監督・脚本＝シアン・ヘダー／出演＝エミリア・ジョーンズ、フェルディア・W・ピーロ、マーリー・マトリン／’21 年＝米／１時間52分〕 漁業を営む両親と兄に囲まれ幸せに暮らす高校生ルビー（ジョーンズ）は家族で唯一、耳が聞こえ、幼い頃から〝通訳〞となり、家業も手伝ってきた。新学期、彼女は憧れの男子と同じ合唱部に入るが、顧問の教師が才能に気づき、名門音楽大学へ進むよう勧める。しかし、彼女の歌声を知らない両親は猛反対、ルビー自身も家族を助ける道を選ぶ。そんな時に小さな〝奇跡〞が起こる…。 《CODA》とは「Children of Deaf Adults＝耳の聞こえない親に育てられた子」の意であり、音楽用語では「楽曲や楽章の締めであり新たな章の始まり」の意味もある。フランス映画『エール！』（’14 年）のリメイクだが、サンダンス映画祭でグランプリ、監督賞、アンサンブルキャスト賞、観客賞の史上最多四冠に輝き、すぐさま映画祭史上最高額の二十六億円あまりで配給権が落札されたという〝勲章〞も。 母親役のマトリンは、聾唖の女性と新任教師（ウィリアム・ハート）との愛を描いた感動作『愛は静けさの中に』（’86 年）で好演し、アカデミー主演女優賞を獲得したベテランで、彼女をはじめ家族役は皆な聾唖者。そして〝次のエマ・ワトソン〞と人気のジョーンズが特訓を受け、手話と歌を見事にこなしている。○C2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
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