シネマッド2022年2月
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二そして〝しまね映画〞第二弾『うん、何?』(’08年)では、甲本扮する高校教師が生徒を校外学習に連れ出して町の史跡を歩きながら「お前たちは故郷の本当の良さを分かっちょうかや!?」と語らせた。 あの先生の、あのセリフが印象的でした―と伝えると、甲本は笑みを浮かべ、「作品の中での先生の存在意義があのセリフに集約されていたと僕も感じまして、台本には標準語で書かれていたんですが、錦織監督に出雲弁で語りかけたい―とお願いして…。今回の『高津川』でも地元の方々とお話をしながら(言葉や生活の空気を)取り入れているんです」と明かした。 錦織監督は『白い船』が縁で故郷に事務所「護縁」を構え、地元の要望で「しまね映画塾」塾長を務めてきたが、八年前に益田で映画塾を開いた際に映画を撮って欲しいと地元から熱い要望があったという。「高津川の魅力と、以前から甲本さんを主役に撮りたいと思っていたのが頭の中記者会見に臨んだ錦織監督(左)と甲本雅裕〔11月7日=八丁座カフェで〕 日本で唯一、流域にダムが一つもない一級河川―島根県西部、石見の吉賀から津和野、益田へと下る清流の恵みを受けて暮らす人々を描いた感動作『高津川』が2月11日から全国公開される。2019年11月に中国地方先行公開のキャンペーンで来広した錦織良成監督と主演の甲本雅裕へのインタビューを再編集で。 錦織監督は〝地方映画の先駆け〞ともいえる『白い船』(’01年)で故郷・平田の小さな漁港を舞台に感動的な実話物語を綴った。そこには二十年近く都会で仕事をしてきたからこそ気付いた故郷の純粋な人々の生活、美しい景色や伝統文化などの魅力が詰まっている―と常々語ってきた。インタビューどこにでもある﹁地方﹂描く感動作﹃高津川﹄の錦織良成監督 甲本雅裕インタビュー映 画初主演

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