シネマッド2022年3月
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 《ガツガツGUTS!》―広島カープ今季のキャッチフレーズだ。勝利へ向けて一試合一試合をガツガツ貪欲に戦い「Ⅴ奪還」を果たそうという『捲土重来』の誓いでもある。そう、カープの巻き返しなるか カープの歴代キャッチフレーズと成績順位を示すデータがある。セ優勝9回の中で《LET’S SPARK!》など英文が6回(うち日本一3回)に対して《℃℃℃ドドドオ》など造語文が3回。英文6回の監督は、古葉(4回)、阿南、山本浩の三人。造語文は3回とも緒方監督。これは「大阪カープ.COM」の独自データだが、英文が「カープ優勝」達成回数で大きくリードしている。 もっとも、球団キャッチフレーズが正式にお目見えしたのは昭和48年から。かつて創設時の石本秀一監督が掲げたのは、采配者としての意思表示《闘志なき者は去れ》だった。成績は4位。寄せ集めのチームながら石本監督の強いリーダーシップと「たる募金」で支えた市民ファンの熱い心が偲ばれる。 もちろん、キャッチフレーズによって優勝が決まるわけではない。第一は選手の実力、それに監督の指導力、球団やファンのバックアップなど総合的な力である。その中で優勝への方向を示すのが「合言葉」としてのキャッチコピーだろう。 昨シーズン、カープは選手らのコロナ感染で出鼻を挫かれた。鈴木や菊池、栗林や森下ら東京五輪Ⅴの日本代表選手を擁しながら三年連続のBクラスに沈む。主要因が「中継ぎ投手力の弱さにあった」ことは佐々岡監督も認めている。ドラフトで補強したものの課題は残る。 ヤクルトとロッテは昨季、共に前年の最下位からリーグ優勝を果たした。ヤクルトの高津臣吾監督はピンチを迎えるたびに「大丈夫、大丈夫」と呪文のように囁いて、選手らに自信を植え付けたという。監督業の奥の深さを物語るエピソードだ。 さて就任三期目、佐々岡監督の優勝への呪文を聞いてみたい。その二百一十けんどちょうらいカープⅤ奪還への決意捲土重来どんよくしのくじじゅもん        ささや

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