シネマッド2022年3月
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五かつて「おばあちゃん」と慕っていた陳慧明(ウー)が日本に行くので案内と通訳をしてくれと言う。 実は陳おばあちゃん、残留孤児の「麗華」を養女に迎え育てていたが、1972年になり日本と中国が遂に国交正常化したことから1994年に麗華を日本に帰した。ところが、数年前から音信不通になり、心配で探しに来たのだ。 陳おばあちゃんが持っているのは若い頃の麗華の写真と十数通の手紙だけで、日本名は分からない。初美は途方に暮れながらも探し歩くが、奈良県内の六人の中国残留孤児の中に陳姓は居ないと分かる。ところが元警察官の一雄(國村)が写真を見て「会ったことがあるかも…」と、麗華探しの旅に加わる…。………………………………………………………………………エルプラネタ〔製作・監督・脚本・衣装デザイン・主演=アマリア・ウルマン/出演=アレ・ウルマン、チェン・ジョウ/’21 年=米西/1時間22分〕 ロンドンでファッションを学んだレオ(アマリア)は、スペインの故郷ヒホンに戻ってくる。父親の死後、母のマリア(アレ)は自堕落な生活を送っていて電気も止められる始末。それでも母娘はめげず、理想とする〝スタイリッシュな生活〞を送ろうと奮闘するのだった。 当面は身の回りの不要品をネットで売りさばき、店頭で試着を装って写真を撮っては転売詐欺…。二人は崖っぷちをものともせず言葉巧みに金を稼いでいく。そんな時、レオは立ち寄った雑貨屋でアジア系の若い店員(チェン)と意気投合―。 その美貌とファッションセンスで注目を集め、グッチの企画に大抜擢されたほか、フォーブスの「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれるなど脚光を浴びているアーティストのアマリアが実母と競演した初長編映画。〝ミレニアル世代〞の実像と虚像をコミカルに描き、サンダンス映画祭などで絶賛された。

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