シネマッド2022年4月
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とんび  たかアキラ………………………………………………………………………………………………………………………………………………昭和37年、瀬戸内の備後市。運送会社で働くヤスこと市川安男(阿部)は、妻・美佐子(麻生)の懐妊にすら素直に喜びを表現できない不器用な男。大酒飲みで乱暴ながら気持ちは真っ直ぐで陽気な性格だ。やがて男児が誕生、旭と名付けるが、町の人々は「鳶が鷹を生んだ」とからかいながらも、温かく見守る。ところがアキラ3歳の時、美佐子は突然の事故で他界、ヤスとアキラの二人の生活がはじまった。それでもヤスの姉代わりに面倒をみてくれる小料理屋の女将たえ子(薬師丸)や、ヤスの幼馴染みで寺の跡取りである照雲(安田)と妻・幸恵(大島)たちがアキラを可愛がってくれる。一方で悲しみから抜け出せないばかりか、息子への接し方に戸惑うヤスに対し照雲の父・海雲(麿)は「海のような愛で息子を守れ」と諭す。昭和55年、高校3年生に成長したアキラ(北村)は東京の大学に進む。ヤスは「一人前になるまでは帰ってくるな」と送り出すが、心は寂しさに打ちひしがれていた。時は過ぎて昭和63年、出版社に就職したアキラは父に由美(杏)を紹介する…。漫画家志望の草介(笠松)は、絶滅したニホンオオカミを題材に作品を描こうとしている。ある日、逃げた犬を探す不思議な娘ミドリ(阿部)と出会った。ケガした彼女を背負って家に送り届けるが、そこはいつもの東京と少し違っており、彼はその地に埋もれた〝想い〟にふれる…。〔監督=瀬々敬久/原作=重松清/脚本=港岳彦/出演=阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、薬師丸ひろ子、麻生久美子、麿赤兒、村上淳、浜田岳/ʼ22 年/2時間19分〕〔監督・脚本・編集=金子雅和/美術=部谷京子/出演=笠松将、阿部純子、片岡礼子、安田顕、長谷川初範/ʼ21 年/1時間43分〕とんびリング・ワンダリング○C2022「とんび」製作委員会   五 

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