シネマッド2022年5月
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〜その23〜114K対応カメラなどが並ぶ事務所で山中さんと また、呉市ご出身の山中さんですが、縁あって『安芸高田市ふるさと応援の会広島』の常任理事も務めていらっしゃいます。皆さんの尽力で神楽が箱根を越えて東京公演を9回実施され、評判も上々。安芸高田の神楽の魅力を全国に伝えるお手伝いもされています。アフターコロナを見据え、山中さんのカメラで神楽がライブ配信される日も近いのでは。 今、山中さんが一番やりたいことは、『戦争と平和』を書いたロシアの文豪トルストイの娘アレクサンドラ・トルストイさんを題材にした番組制作。アレクサンドラさんは1929年に出国され、日本に約2年滞在後、アメリカに亡命されました。その後『トルストイ財団』を設立され平和運動に取り組まれた方です。平和の尊さを発信したい―と使命に燃える山中さん。故郷・広島で制作活動ができることに感謝しながら…。やまなかとしはる●パーソナリティ〔オフィス・タマランズ代表〕玉田陽子「事実」を真摯に伝える広島ミドルメディア山中敏治さん総合研究所株式会社代表取締役 山中敏治さんは1975年に開局したテレビ新広島(広島市南区出汐)の1期生・立ち上げメンバーです。 原点はフィルム式の重いカメラを持って取材する記者。その後も報道や制作、スポーツ部…と活躍されました。私は、1983年から放送された坂本九さん司会の『クイズクロス5』のリポーターでした。何度もNGを出す私を、山中ディレクターは粘り強く、丁寧にご指導してくださったものです。 今回、山中さんのご自宅を訪ねてみるとテレビ局さながらの4K対応カメラが数台。カメラを切り替えるスイッチャー、インカム…と愛おしそうに説明してくださいました。 実は報道局長に就任された1999年6月28日の翌日、集中豪雨が発生―。当時は《線状降水帯》という言葉もありません。「あの時、もっと早く視聴者に伝えられたら、被害が少なかったのでは…」と後悔の念が拭えないそうです。だからこそ退職後も正確に“事実”を伝える重大さが頭の隅から離れません。ライブで地域に貢献できる何かができないかと模索されています。

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