シネマッド2022年6月
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飲酒は﹁20歳から﹂ですその二百四お酒成人で20歳まで禁じられたままなのは、4月から成人年齢が18歳に引き下げられた。が、飲酒や喫煙はこれまで通り20歳以上。そこで生まれたのが『お酒成人』という新語である。政府や酒造組合がネット広告などで《新成人と『お酒成人』は違います》と啓発に努めている。成人年齢引き下げの是非は、当欄でも取り上げてきた。おさらいしてみよう。①選挙権を満18歳から付与②クレジットやローン契約が可能に③親の承諾が不要な結婚は男女ともスポートも取得ОK、など。少子高齢化時代を迎え、若者の政治と国造りへの参加促進が狙いだ。一方、新成人になっても別の法律①飲酒・喫煙②競馬・競艇などの公営ギャンブル、など。若者の健康維持・促進などが主な理由。国の法制審議会でも賛成意見が占めた。というわけで《お酒を飲めるのはこれまで通り20歳からですよ!》と周知徹底するため『お酒成人』という啓発語の誕生となった。新成人誕生で、悩ましい問題はまだ残る。成人式を18歳でするか20歳でするか地方自治体が分裂していることだ。「18歳は進学や就職が重なり時期が適切でない」とする20歳実施派。いや「18歳は新成人が社会的な責任を自覚する大事な節目」とす加えて18歳・19歳の犯罪をめぐり凶悪ケースは「特定少年」と位置づけて前科を科すという改正少年法の適用。ダブルスタンダードによる混乱の誹りは免れない。さらに「酒を飲んでもいい成人」「飲んではダメな成人」という相反する成人基準の存在も、混乱に輪をかけそうだ。多様な価値・多様な生き方を希求する現代社会だが、政治や行政の迷いが伺える。もっとも、新しい法律・制度の定着には百年の月日を要する、とされるが―。さて「18歳成人」が社会に定着するのは何時の日か?る18歳実施派に二分。そしつきい つうかが18歳成人は世界の主流でもある。18歳以上に統一④国家資格試験やパ   ひ  さけせいじん  十  

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