シネマッド2022年7月
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あみ子』が7月8日(金)から八丁座で公開される。この作品は広島出身の芥川賞作家・今村夏子のデビュー作を映画化したもの。そして、日本映画学校を卒業後に長崎俊一監督や大森立嗣監督らに師事した森井勇佑の初監督作品。さらに、あみ子役に演技未経験の大沢一か 菜なを大抜擢するなど〝初ものづくし〟の快作だ。という原作は幼少期から大人になるまでを描いた長編。製作にあたった近藤貴彦プロデューサーは、映画化に対し森井監督に「しつこいぐらいの熱意があった」と苦笑しながらも「小学5年から中学1年までの物語に構成した脚本が出来て、両親役の井浦新さんと尾野真千子さんの出演も決まったけれど、オーディションで大沢一菜に出会えたことが最大の異色の〝キッズ青春映画〟『こちら森井監督が「いちばん好きな小説」GOサインになった」と振り返る。加えて約二百五十人もの広島の子供たちも含め「常に騒がしく、遊んでいるような雰囲気だったんですが、彼らが生き生きと画面に映し出され予想を超えた作品に仕上がった…。それまでに経験したことがない製作体験でした」と話す。高校生の時に観た『惑星ソラリス』   二が「映画中毒になったきっかけ」と語る森井監督は初演出のポイントをこう明かした。「原作は、三人称で書いてあるのに限りなく一人称的。それを映画の文体に置き換えるとき考えたのは、フィックスした画面の中にあみ子がぽつんと居る客観的な映像を撮りながら、いかに主観的に見せるか―ということで、それには音が大きな要素を占めていると思います。これは全編にわたり、意識的に、直感的にやりました」と。その広島出身今村夏子原作新鋭森井勇佑初監督作品特集特集広島ロケで少女の多感な“世界”描く

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