その二百十疑心暗鬼﹁ロシア﹂﹁コロナ﹂が拍車『疑心暗鬼』とは「疑いの心を持つこと。暗がりで、居るはずのない鬼を見てしまう」との意味から「疑いのために何も信じられない不安な心理状態」のことをいう。(出典=中国・宋の「列子」)そう、ロシアのウクライナ侵攻に始まった理不尽な都市破壊、核攻撃の恐怖に国際社会はまさに『疑心暗鬼』の状況。加えてウイルス変異を繰り返し、パンデミック状態が続く「コロナ禍」。不安な心理状態から解放されるのは何時のことか―。そんな中、師走を迎えた。恒例の《今年の漢字》を予想してみよう。国際状況から、先ずは【疑】。続いて【暗】である。旧ソ連邦解体の後、ロシアは資本主義経済をめざし、民主国家に生まれ変わるものと期待された。が、ウクライナ侵攻によってプーチン大統領の〝化けの皮〟は剥がれ、国際平和促進の期待も裏切られた。垂れ込めた暗雲は晴れぬ。次は【脱】。ここに来てロシア軍の劣勢が伝えられる。プーチン政権が兵力補強のため新たな「徴兵」を決めると、若者らの国外脱出が始まり国内での反戦デモも拡大。即刻、ウクライナ侵攻を停止し、国際的危機からの脱出を決断して欲しい。そんな願いが込められている。ま しぎしんあんき は十 四番手は【聞】。広島出身の岸田文雄首相の政治信条は「聞く力」だった。ところが、安倍元首相の国葬や旧統一教会問題では「誰の声を聞いているのか。決断力・実行力に乏しい」との批判が続出し、各種世論調査では支持率が40%を大きく割る始末。党内の声だけでなく、もっと国民の声を政治に反映させる努力を続け、信頼を取り戻すべきだ。来年5月には、地元広島市でG7サミットがある。ヒロシマ出身の総理として、被爆者の声を広く聞きながら核廃絶への先頭に立ってほしいと強く願う。《今年の漢字》は今月末、勧進元の京都・清水寺から発表される。ちなみに、昨年は【金】、一昨年は【密】。この欄の的中成績は一勝一敗。れっり ふじんい つ
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