12〔1961年(昭和36年)〜ʼ65年(S40年)=東映/計568分◆内田吐夢監督〕 “キムタク信長”を観て時代劇の一気に観賞して脳内は武藏色に虫が疼いた。そして再度じっくり染まった。反芻するたびに剣豪と観たくなったのがこの五部作だ。しての武蔵の凄まじい半生からは吉川英治の原作を名匠・内田吐夢学ぶべきものが多かった。が5年の歳月を費やして撮った、 強くなりたい―と剣術の修業にまさに迫真の武藏像である。邁進し、ギラギラしていた武藏が 当然ながらワイヤーアクション決闘を繰り返すうち次第に修験者もCGもない時代、中村錦之助を・求道者のような心境に変わってはじめとする時代劇スターたちといく様子が印象に残った。お通の東映剣会の斬られ役たちが激突し愛にも背を向け、沢庵和尚の説教迫力満点のチャンバラを見せる。から得た“人生哲学”を磨き続けたことに第四部「一乗寺の決斗」での73人を相手にした“錦之助武藏”の武藏のストイックな姿に降参!。うむ、今年の正月は『五輪書』をリアルな殺陣や、全編に散りばめ読破して自らの人生を顧みよう。られた圧巻の決闘シーンは、何度 ところで佐々木小次郎に扮した観ても息を呑む迫力と美しさだ。高倉健だが、個人的には任侠映画現代ではもう秀作『散り椿』などののイメージが滲み出て、ニヒルな岡田准一の殺陣くらいしか…。美青年剣士に成り切れなかった… 実は20年前、広島映画手帖社がと今も感じる。例えば東千代之介解散となり無職で正月を迎えて、でも良かったろうし、赤木圭一郎久々に有り余る時間を楽しもうとのような長身のイケメンがいれば吉川英治の原作文庫本(全8巻)をなんて今更“たられば”を言っても買い込み、一気に読んだ。そして“錦之助武藏”の五部作をこれまた仕方ない。空想で撮り直そう。File No.61『宮本武蔵』五部作
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