『球春到来』に野球ファンの心も弾む。広島カープの日南・沖縄キャンプ、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、センバツ高校野球、セ・パ両リーグ開幕と続く。《がががが が むしゃら》とはカープの今季キャッチフレーズだ。伝統の猛練習にも挫けず、泥と汗にまみれ駆け抜けた新井貴浩新監督のように戦い抜く覚悟を表現。四年連続Bクラスの悔しさをバネに「目の前の一試合一試合を、がむしゃらに勝ちに行く」決意を込めている。新聞テレビのキャンプ報道を見る限り、選手たちから「兄貴」と慕われている青年監督のもと、五年ぶりのⅤ達成は実現可能とみた。「好き嫌いで選手起用はしない」とする〝新井マジック〟にも期待。一方、栗山英樹監督率いるWBC日本代表(サムライ日本)三十人の顔ぶれにも痺れる。大リーグで「ベイブルースの再来」と世界の注目を集める大谷翔平(エンゼルス)やダルビッシュ有(パドレス)、元カープの強打者・鈴木誠也(カブス)、それに日本のエース・ロッテの佐々木朗希、ホームラン王・ヤクルトの村上宗隆、抑えのエース・広島カープの栗林良吏ら日米のスター選手による最強編成。サムライ日本の「世界一奪回」へ期待が集まる。「わが日本の野球レベルもここまで来たか…」。太平洋戦争をはさむ苦難の歴史に想いを馳せる向きも多いのではあるまいか。3月9日東京ドームで初戦スタート。春はプロ野球だけでなく高校野球も選抜大会がプレーボール。中国地方から広陵(広島)のほか光(山口)に鳥取城北が選ばれた。広陵は二年連続二十六回目で、四度目の優勝を狙う。選抜大会の出場校は「21世紀枠」として練習環境などのハンディ克服や地域貢献といった戦力外の特色も加味される。人間形成への社会的・教育的配慮が「センバツ」の愛称のもと高く評価されている。 とうらい は 十たかが野球。されど野球。コロナ禍社会を癒す力になればと願う。はずくじしびわくいやたかが野球されど野球きゅうしゅんその二百十三球春到来
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