探査砂から水や有機物みなもとその二百十四生命の源日本の宇宙探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星りゅうぐうの砂から、水や有機物質が確認された。九州大などで編成する研究チームが分析・検証を担当し、《生命の源》の謎解明に大きな一歩を踏み出した。今後が楽しみである。その「はやぶさ2」の司令塔を務めた宇宙科学者・津田雄一氏の講演会が安芸高田市であり、世界初の快挙までのロマンあふれる裏話などを聞いた。母親が同市甲田町出身の津田氏はここで幼少期を過ごした。県外の中学高校を経て、東京大航空宇宙工学科に進み、宇宙開発の道に。演題は《はぶさ2にかけた夢―惑星間往復飛行を成し遂げた技術と科学》。映像をふんだんに駆使し、臨場感と宇宙のロマンあふれる二時間に及ぶ内容だった。注目される質疑応答―会場からズバリ「宇宙人はいますか?」『人間と同じような姿をした生き物はいないと思う。ただ微生物や小動物のような生命体はどこかの惑星に存在するでしょう』と津田氏。生命体言及に会場内がどよめいた。次に「先生は何歳ごろから宇宙に興味を覚えたのですか?」『僕はラジオの組み立てなど工作が好きで得意な少年でした。宇宙に興味を持ったのはハレー彗星の出現。宇宙工学の道に繋がったのです』満員の会場には小中高校生の姿も多く見られた。『何でもいいから工作など好きなことに興味を持ち続けることが大切。そうすれば大人になって進むべき道が開け、一生の仕事に繋がって行くでしょう』とアドバイス。《少年よ大志を抱け》(クラーク博士)とは、前途ある若者たちへ、大きな志を持って進めと励ます言葉として有名。加えて、津田氏が『興味の持続の大切さ』を力説したのが印象に残った。 せいめいの 十ナルに見えてくる。中国山地の夜空には「宇宙の星」たちが、まぶしく輝いている。気のせいか、どれも「生命の源」のシグなぞつ だゆういちこころざしつな
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