緊急事態宣言下「ウチに居てできるのは電話くらい。大谷と話してて、何か面白いことやろうよって…。翌朝、思い付いたものを送って草野と三人で」短編を撮ったと中西は振り返る。「それが大きく取り上げられて、それなら長編にと勢いで撮りました」と沖監督。役者仲間が次々に参加した。中西は「大先輩の小野武彦さんなんかは短編を見てくださってて『出せ』と言われました。仲間たちにはホント感謝です」。とはいえ「超低予算のため友情出演の域を超えて、敢えて言うなら〝同情出演〟でした」と沖監督は苦笑する。スケジュール調整やロケ場所選び(例えば河川敷は、短編は多摩川だったが長編を撮る時には全域工事になり止むなく荒川に変更)、さらには「天気は大丈夫かと毎日がヒリヒリとヒヤヒヤの連続」だったとも。加えて大半が本人役で出演するため、俺は普段こんなこと言わない―と台詞にクレームがつき書き直したことも数知れず。しかしながら沖監督は撮影現場を思い起こすと「百戦錬磨の俳優さんが次々と現れ、それぞれ〝必殺技〟を披露してシーンを豊かにし、颯爽と去っていく―という感じで、毎日が刺激的で、内心ずっと感動しながら撮っていました」と満足げ。居酒屋の大将を演じた渡辺哲をはじめモロ師岡、勝村政信、六角精児、余貴美子、不破万作などなど実に個性的な実力派が勢揃いだ。しかないわけで、どんな状況でも動き続けるというか、もがくと言うか、ちょっとでも遠くに行けたらと思ってるのかな」と締めくくった。全編に役者魂が感じられ、元気の出る快作だ。中西は「僕らは、芝居をやる草野とおる中西良太大谷亮介○C2021「ある役者達の風景」製作委員会 三★八丁座で5月12日(金)〜17日(水)までの6日間限定で上映/連日19時から(102分) InterviewInterview
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