10◆G7広島サミットが終わって街は“平穏”を取り戻しました。期間中は警官と警察車両ばかりで一般の人も車も激減、まるで大型台風でも来ているのかなと思うほどの光景でした。◆文字どおりの「台風一過」で、平和公園、会議会場、宿泊先…どこも後片付けが大変な様子。唯一の“置き土産”は広島産品のPRができて、本場のお好み焼も熊野筆もセーラー万年筆も、観光では宮島も海上輸送のシースピカも今後、内外の観光客にさらなる大人気になるでしょうから、岸田さん有り難う!◆ですが、肝心の会談内容はと言えば「ガッカリ」の一語です。時間がないので当然ながら事前に摺り合わせしておいた内容を首脳同士が確認・微調整して、「宣言」にまとめるのでしょうから、目新しくもなく、玉虫色でお決まりの「差し障りのない」言葉が並ぶのです。そんな中で最大の“功労者”はゼレンスキー大統領であり、まさに“主役”となった感がありました。◆なにしろ原爆資料館では十分に時間をとって見学、慰霊碑に献花して深々と頭を垂れましたから、心からヒロシマを知り、祖国の平和と再興を誓ったはずです。それに引き替えG7首脳には、なぜか資料館を幕で覆い1階に幾つかの展示物を並べてササッと見てもらっただけ…。原爆投下国や核保有国に「配慮」したからでしょうね?◆広島で開催するからには肝心の原爆資料館と平和公園で最低半日かけて核兵器の恐ろしさや悲惨さ、つまりは「非人道性」を痛感してもらい、核廃絶に向け「一致団結して進もう」という踏み込んだ宣言を出さなければ意味がないでしょうに。そして国連改革も核廃絶条約も、唯一の戦争被爆国の首相として一歩も二歩も踏み込んだ、具体的な声明を出すべきだったし、最後のチャンスだったのに…。◆サミットを終え公邸に戻ればご子息がまた“ヤンチャ行状”でヒンシュクをかったので、もう次世代にバトンタッチすること
元のページ ../index.html#14