2023年6月
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と麦野くんの鼻に接触があった」と報告書を淡々と読み上げる始末。数日後、保利は早織に「あなたの息子さんはイジメをやっています」と告げる。早織は、湊がライターを隠し持っているのを見つけ、イジメ相手という星川依里(柊木)を訪ねたところ、彼の腕には火傷の跡が…。しかし依里は校長たちに向かって湊にイジメられたことはなく、保利先生が湊を叩いたと証言する。子供たちと教師たち、一体どちらの発言が真実なのか―。取り上げられ町を揺るがす。そんな時に巨大台風が近づく中、湊と依里が姿を消す。二人は森の中、廃線の朽ちた車両を〝秘密基地〟にして、仲良く「かいぶつ、だーれだ」遊びを楽しんでいた…。騒動はやがてマスコミでも大きく「羅生門」のような構成で〝現代の怪物〟の正体を問いかける。テレビドラマはお休みと宣言した坂元裕二のオリジナル脚本を、かねて坂元をリスペクトしていたという是枝監督が初の共同作業で〝重量級の傑作〟を生み出した。さて貴方は若者に怪物の正体を説明できるか―。 親の目、教員の立場、子供の言い分…それぞれが交錯して〔良〕○C2023「怪物」製作委員会★速報/第76回カンヌ国際映画祭で「脚本賞」と「クィア・パルム賞」を受賞   三

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