町の人々の喜怒哀楽を優しく描いた感動作『高野豆腐店の春』(8月18日から八丁座ほかで公開)の三原光尋監督と主演の藤竜也がキャンペーンで来広。先行上映会での舞台挨拶を前に裏話などを聞いた。時と変わらず、誠実で優しい人柄が滲み出る笑顔で迎えてくれた。さんの映画を撮りたい―と思ったんです。それも東京の下町じゃなく、地方都市の、できれば小さな港町で路地を入ると店があって…。だけどそんなに寂れた所じゃなく商店街もあり、人々の暮らしも人情もある…とイメージを膨らませて、穏やかな瀬戸内海を回ってみたんです」と。そして「尾道に来た瞬間、『ここ!』尾道の豆腐店を舞台に、父と娘と三原監督は、十八年前に秀作『村の写真館』でお会いしたもともと豆腐好きで、「お豆腐屋でしたね。これまでに巨匠の方々が撮っていらした〝意味〟が分かるなぁと強く思いました」とにっこり。主演の藤も、事前の役づくりには凝ることで有名だが、今回は初めてロケハンに同行した。「三原監督の本(脚本)が良く出来ていて、私はひどく共感して〝高野辰雄〟というキャラクターに私の肉体をすっかり貸してしまった。尾道を一緒に歩き回るうちに、町そのものも人々の涙たかの尾道を舞台に「昭和の日本映画」を撮りたかったと熱く語る三原光尋監督(左)と藤竜也 〔7月21日=八丁座控え室で〕尾道ロケの感動作『高野豆腐店の春』の三原光尋監督・藤竜也インタビューインタビュー 二“昭和の日本映画”目指し笑いと涙の人生模様
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