三 や笑い声、苦しみとかが染み付いて漂っている…そう感じたんです」と前置きし「そうすると何も考えたり作ったりしなくていい。(撮影では)アドリブも自然に出てきて俳優同士のセッションが高いところまで昇華していく…幸せな時間でした」三原監督は今回「昔ながらの日本映画を撮りたかった」と言う。撮影技法はシンプルにして「俳優さんの演技をちゃんと撮れば映画になる。お豆腐と一緒で、余計なことをせずきちんと仕事すれば映画になる」と持論を貫き通した。の豆腐づくりが始まるが、ピントは電球に合ったまま約三十秒。その後は作業を淡々と手元を中心に撮っていく。その狙いを尋ねると「テレビでは許されないことですけど、僕らはスクリーンで観る映画を作るんだぞ!という〝勝負〟の五分です」作品の冒頭、裸電球が灯り、辰雄自主製作映画で注目され『ヒロイン!』(ʼ98)で劇場映画デビュー。秀作『村の写真館』(ʼ05)が上海国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀主演男優賞(藤竜也)を受賞。ほかに『燃えよピンポン』(ʼ99)、藤竜也が料理人に挑んだ『しあわせのかおり』(ʼ08)、『あしたになれば。』(ʼ15)などなど。近作は『オレンジ・ランプ』(ʼ22)生まれ。大阪芸大在学中から三原光尋/1964年・京都←物語と試写寸評は次ページに○C2023「高野豆腐店の春」製作委員会InterviewInterview
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