2023年10月
7/18

〔1974年=パラマウント映画/144分◆ジャック・クレイトン監督〕の級友。その縁を利用してようやくデイジーを饗宴に招いたギャツビーだが、複雑な人間関係から事件に巻き込まれる…。 実はこの原作、大学の英文教材だった。辞書を引きながら“解読”したので粗筋は理解できた。その直後の夏休み、欧州旅行に出掛け大好きなロンドンを歩いていて、ピカデリーサーカス近くにあったパラマウント劇場にこの映画の大看板が!迷わず入場した。当然、日本語字幕はなく、映像を楽しむことにした。帰国後の9月に広島宝塚劇場で上映されたので、字幕付きでじっくり鑑賞した次第。 幾度かギャツビーが邸宅から夜の湾を眺める。対岸にはデイジーの邸宅があり、桟橋の灯台が点滅している…その映像に彼の心情が凝縮されているように感じた。 1920年代のアメリカの“狂乱”に散った愛が心に染みる快作だ。※パラマウント劇場では1ポンド10ペンス(当時のレートで約800円)の席で観た/宝塚は1,000円The Great Gatsby12 秋は悲恋物語に胸を焦がすのにぴったりの季節。そこで選んだのがスコット・フィッツジェラルドの小説をフランシス・フォード・コッポラの脚色で映画化した当時話題の70㎜超大作。 貧乏農家に生まれたギャツビー(ロバート・レッドフォード)は苦労の後に第一次大戦で陸軍少尉となり、駐屯した街で可憐な美女デイジー(ミア・ファロー)と知り合い、恋におちた。が、フランス戦線に派遣された間に彼女は富豪トム(ブルース・ダーン)と結婚。戦後、それを聞いたギャツビーはショックを受け、彼女を見返そうと猛烈に働いた。どうやら闇稼業にも手を出したらしい。こうして5年後、ニューヨーク郊外ロングアイランドに豪邸を構えた彼は夜ごとパーティを開く。 隣家に住む会社員ニック(サム・ウォーターストン)はデイジーの従弟で、夫トムとはエール大学File No.70『華麗なるギャツビー』

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る