2023年12月
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………………………………………………………………………………………………………………………………………………○C2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER終戦後の闇市にある半焼け状態の居酒屋で女(趣里)は一人で暮らしている。生きるため、食べるためには体を売ることもいとわない。そんなある日、闇市で食べ物を盗んでいる孤児(塚尾)が居酒屋に忍び込むが、女の優しさにふれたからか、以来、居酒屋に入り浸るようになる。間もなく、若い復員兵(河野)が客として店を訪れ、久しぶりに熟睡した―と言う孤児と共に居着いてしまう。はじめるが、やがて復員兵の様子がおかしくなり、ささやかな〝幸せ〟は長くは続かなかった。さらに母子のような仲になっていた女と孤児との間にテキ屋の男(森山)が入り込み、悲しむ女を残して幼い孤児は仕事をもらったからと言い残し、居酒屋を出ていくのだった…。三人はまるで家族のように暮らしこれまでに衝撃作『野火』(ʼ23 年)や『斬、』(ʼ23 年)と〝戦争と人間〟を描いてきた塚本監督が「火と、その揺れに合わせて姿を変える影の中に生きる人々を見つめる祈りの映画」と製作した意欲作。黒柳徹子が幼少期を自伝的に描き世界的ベストセラーになった同名の小説を初めてアニメ映画化。八十年ほど前、激動の太平洋戦争が終わる少し前のこと、落ち着きがないから―と小学校を退学になったトットちゃん(大野)は新しくトモエほかげ窓ぎわのトットちゃん〔製作・監督・脚本・撮影・編集=塚本晋也/出演=趣里、森山未來、塚尾桜雅、河野宏紀、利重剛、大森立嗣/ʼ23 年/1時間35分〕〔監督・脚本=八鍬新之介/原作=黒柳徹子/キャラクターデザイン=金子志津枝/声の出演=大野りりあな、小栗旬、杏、滝沢カレン、役所広司/主題歌=あいみょん「あのね」/ʼ23 年/1時間54分〕     四

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