2023年12月
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﹁世相を映す﹂この一年 ︹最終回︺その二百二十二流行語考りゅう「現代用語の基礎知識編 2023ユーキャン新語・流行語大賞」候補三十語の発表があった。阪神タイガースの岡田監督の《アレ》(優勝のこと)や、将棋界のホープ藤井聡太さんの偉業達成の《八冠》など明るい用語が目立つ。大賞は後日発表。そこで、恒例の「今年の漢字」を予想してみる。世界規模では、ロシアのウクライナ軍事侵攻に続いてイスラエルとパレスチナの紛争激化。アフリカや西アジアでも戦火が再燃するなど《戦》の印象が強い。もう一つ「新型コロナとの闘い」は終息への兆しは見えるが、油断はできない。もっともマスクが取れて《脱》の一字を挙げる声もある。国内に目を向けると、猛暑の《暑》だ。晩秋まで記録的な暑さが続いた。まるで日本列島が「亜熱帯化」したような異常気象である。ただ、昨年までのような豪雨や大地震といった大災害は免れたことは「良し」としたい。そんなことから《穏》とか《明》など平穏な漢字を推す向きもある。「今年の漢字」は年末に全国集計し、勧進元の京都・清水寺から発表される。実施要綱にも「希望をつなぐ一字も歓迎」とある。 それを代表する一字は、ズバリおめでたい《冠》だろう。そう、弱冠名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖に続いて王座に。初の八冠を成し遂げた。昨年、最年少で五冠達成のとき、報道陣から「あなたの現在地は?」と問われ「森林限界の手前。目指す頂上はまだ上にある」と謙遜の答弁だった。AI超えの「神の手」も駆使する藤井八冠は天才であるばかりか、常に努力を怠らぬ青年とみた。若者の範としたい。       さて、『四字熟語で今を斬る!』のタイトルで、広島を中心にした世相を「岡目八目」で取り上げてきた当欄も最終回。読者の皆様に厚くお礼を申し上げます。おこたけんそん21歳、将棋の藤井聡太さんが竜王・     こうごこう◇  八  

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