2024年4月
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〔監督・脚本・編集=イ・ソルヒ/出演=キム・ソヒョン、ヤン・ジェソン、シン・ヨンスク、ウォン・ミウォン/ʼ22 年=韓/1時間40分〕〔監督=ビム・ベンダース/脚本=ビム・ベンダース、高崎卓馬/出演=役所広司、柄本時生、田中泯、中野有紗、アオイヤマダ、石川さゆり、麻生祐未、三浦友和/製作総指揮=役所広司/ʼ23 年/2時間4分〕………………………………………………………………………………………………………………………………………………できず、数週間が過ぎて迷宮入りとなる。しかしヨアンの頭から事件の謎が消えず、苦悶する…。セザール賞で六冠に輝いたほか、多くの映画祭で絶賛された佳作。ソウル郊外の農村にあるビニールハウスで暮らす孤独な中年女性ムンジョン(ソヒョン)は、訪問介護士兼家政婦として働いている。ある日、視力障碍の老紳士(ジェソン)と被害妄想癖のある認知症の妻(ヨンスク)の世話をするうち、妻が暴れ出してもみ合ううち転倒して死ぬ。そこでムンジョンは「奥様は眠っています」と嘘をつき、死体を運び出して自分のビニールハウスに隠す…という、韓国で大ヒットしたスリラー。して回る清掃員・平山(役所)は毎日同じルーティーンで暮らしている。朝は近所の老女が掃除する竹箒の音で目覚め、身支度を整えると植木に水をやり、車の鍵と古い携帯電話と小銭をポケットに入れて扉を開ける東京・渋谷区の公衆トイレを掃除とスカイツリーを包む空を見上げ、缶コーヒーを買って、手作りの掃除道具を積んだ青い軽自動車で仕事場に向かい、ひたすら掃除する…。仕事を終えると自転車で銭湯へ。そして地下の居酒屋でいつもの品を注文する。布団に入ると寝落ちするまで本を読む…という生活だ。毎日同じようで、毎日が違う。木漏れ日や、公園で出会うホームレスの男、古本屋の女店員、居酒屋の女将…。そんなある日、淡々としたリズムが少しばかり揺れる―。五      名匠が名優を起用し、カンヌ国際映画祭で男優賞に輝いた秀作。ビニールハウスPERFECTDAYS○C2023MASTER MIND Ltd.

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