はバタデンです」と書いてあった。〝バタデン〟とは「い一ちば畑た電車」―出雲駅と出雲大社、松江しんじ湖温泉とを結ぶローカル鉄道で、少々古い車両ながら力強く走り続けており、筆者は何度も乗ったことがあるが、今も全国各地から〝撮り鉄〟〝乗り鉄〟が押し寄せている光景が見られる。家族を描く」作品だというので期待に胸が膨らみ、「出雲、松江周辺が舞台ならば広島からも行き易いので一度、ロケ風景を取材させてもらえませんか」と打診したところ、快く受けていただいた。暫くして地元の方々に集まってもらい大規模な祭を再現する撮影があるので、ぜひ取材とエキストラ出演を―と、安川唯史プロデューサーからご連絡いただき筆者は小躍りした。木村花音を連れて先ずは松江周辺を錦織良成監督からの年賀状に「次その「故郷を走る電車を背景に、直ぐさま日程を調整し旅モデルの旅取材。翌日、ロケ現場の松江大橋に向かった。すると、橋の周辺には地元の人々約千五百人が集まり撮影開始を待っていた。そう、『白い船』と『うん、何?』で故郷讃歌を描いた錦織監督は絶大な人気と信頼を得ているのだと確信した。 二リストラ騒動に疲れ果て帰郷した主人公が終盤、十二年毎ごとに開かれる大規模なロケを終えて囲み取材に応じる錦織良成監督(左)と阿部秀司エグゼクティブプロデューサー(右)〔松江大橋近くの河岸公園で〕=広島キャンペーン回顧録=錦織良成監督の足跡 〔4〕特集特集故郷を走る“バタデン”に思いをのせ「家族愛」描く
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