2024年7月
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The Unforgiven〔1960年=ユナイト映画/122分◆ジョン・ヒューストン監督〕 さて、ここから話がややこしくなる。奇人ケルシー(ジョゼフ・ワイズマン=007シリーズ第一作で敵役ドクター・ノーを怪演)がザカリー家の悪い噂を流す中で、カイオワ族の首領が現れ「幼い時に別れた妹を返せ」と迫り、ベンは「レイチェルは白人だ」と拒む。やがてレイチェルに求婚しに来たゼブの長男が帰路、カイオワ族に殺される。ケルシーを災いの元凶だとベンは牧童たちを率いて捜索の末に捕えた。ケルシーは馬上で首に縄をかけられたまま、不敵な笑みを浮かべながら過去の不幸な出来事を語りはじめる…。 十数年前、ウィルはカイオワ族の赤ん坊を拾った。カイオワ族はケルシーの息子を捕えて赤ん坊と引き換えろと要求。しかしウィルが拒絶したためケルシーの息子は殺された。以来、ケルシーは復讐File No.79 前回の『噂の二人』では同性愛、今回のオードリー・ヘプバーンは人種差別をテーマにした問題作に挑んだ。バート・ランカスターが自らのプロダクションで製作して主演した意欲作。ちなみに1992年クリント・イーストウッドが監督主演しオスカーを獲得した同名作(原題も)とは全く別の物語。 西部開拓期、テキサスで牧場を営むザカリー家は、父親ウィルの死後、長男ベン(ランカスター)を中心に次男キャッシュ(オーディ・マーフィ)、三男アンディ、母親マチルダ(リリアン・ギッシュ)、養女レイチェル(ヘプバーン)の5人が力を合わせて切り盛りしている。大牧場主ゼブ(チャールズ・ビックフォード)はベンたちに信頼を寄せて、自分の長男の嫁にレイチェルを、長女をキャッシュの嫁にと考えている。6『許されざる者』

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