映像クリエイターのハヤシ(金子)を訪ねて夜を過ごし、平気な顔で同棲相手のホンダ(寛一郎)の元へ戻る。優し過ぎるホンダとの生活に飽きてハヤシとの新しい暮らしを謳歌するものの、次第にお互いの何かが噛み合わなくなり、カナの心は自分でも制御不能になっていく…。画面はスタンダードサイズ、周りの会話も騒音もそのままの中で見守るヒロインの生き様は、まるで〝そのへんに居る〟現代女性のドキュメンタリーを見ているよう。人生の先輩でも手を差し伸べ相談にのってあげられない〝もどかしさ〟が現代そのものなのか…。 タクヤ(越山)は、アイスホッケーが少々苦手だが、練習帰りにフィギュアスケートに励む少女さくら(中西)に見とれて、ホッケー靴のままリンクで滑るようになる。さくらのコーチでリンクの管理をしている荒川(池松)は、タクヤの恋心と熱心さを見て取り北国の田舎町―。吃音のある少年〔良〕自分の古いスケート靴を貸してやり基礎からフィギュアを教えてやる。そのうち荒川は、さくらとタクヤのペアでアイスダンスに挑戦しようと提案する。荒川に淡い思いを抱いているさくらは少々戸惑うが、二人で名曲『月の光』に合わせて滑るうち心を通わせるようになる…。青春の輝きのようで、思い出の8㍉フィルムを見ている感覚になった。いわば日本版『小さな恋のメロディ』だが、大人の愛は苦い。 こちらもスタンダードの画面だが、逆光気味の淡い映像が〔良〕ぼくのお日さま 五○C2024「ナミビアの砂漠」製作委員会〔監督・脚本・撮影・編集=奥山大史/出演=越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也、山田真歩、潤浩/ʼ24 年/1時間30分〕………………………………………………………………………○C2024「ぼくのお日さま」製作委員会 /COMME DES CINÉMAS
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