2024年10月
2/14

公開前キャンペーンでインタビューした時、錦織良成監督はこんなことを話した。「僕の映画は何んにも起こらない。大騒動とか事件とか…。穏やかな日常の中で人々の生き様を見つめています」と。確かにそんな作品に癒され続けていたが、突然に時代劇を撮った。それも戦国時代の物語で、当然ながら男たちがバッタバッタと斬られる!。しかしそれはチャンバラ痛快アクションではなく「刀」をめぐる問題作だった。の「たたら製鉄」について錦織監督は「ここで作られた玉鋼で打った刀は折れない。現代の最新製鉄技術でも敵わないほどの、世界最高の強靭さなんですよ」と熱く語っていたが、その玉鋼をめぐる物語『たたら侍』は確か『うん、何?』のこれも『うん、何?』の時、奥出雲同時に「戦」について、「武士道」について考えさせられる秀作だった。主人公の伍介(青柳翔)は、出雲の山奥で〝たたら吹き〟を生業とする一族の跡取りだが、山賊を追い払うためにも強くなりたい―と尼子の侍たちから剣術を教わっている。ある時、織田軍に火ひ筒づつ(鉄砲)を納めたい    二からと商人(笹野高史)が訪れ、極上の玉鋼を求める。彼の案内で伍介は豪商(津川雅彦)に導かれ、織田軍の兵に加えてもらう…。映画の冒頭で伍介は言う《子供の頃から「強さは力」だと思っていた。かなたまはがねいくさなりわい完成披露記者会見での錦織良成監督※2017年5月18日=中国放送会議室で=広島キャンペーン回顧録=錦織良成監督の足跡 〔7〕特集特集戦国時代を背景に玉鋼と武士の心と真の強さ描破

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る