▶初公開当時の雑誌広告ふけおうせじょうやど6Love in the Afternoon〔1957年=ユナイト配給/130分◆ビリー・ワイルダー監督〕 前号は悲恋物語だったが、秋も深まりもの思いに耽る季節なので甘酸っぱい、しかもお洒落な恋愛映画の傑作の一つを。 舞台は恋の都パリ。私立探偵のクロード・シャバス(モーリス・シュバリエ)は浮気調査が専門。事務所には調査記録がいっぱいで彼の娘アリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)はそれらを盗み読むのが大好きだった。最新ファイルはX氏からの依頼で、妻が富豪のフラナガン(ゲイリー・クーパー)と“逢瀬”を重ねているようなので証拠を―というもの。アリアーヌは興味津々、フラナガンの定宿である高級ホテル「リッツ」に行ってみると、ピストルを持ったX氏が妻の出てくる時を待っていた!。アリアーヌは機転を利かせて密会中の二人に“危機”を知らせ、自ら浮気相手を演じて事なきを得た。その“ドキドキ感”がアリアーヌの恋心に火を点けた。 フラナガンが御礼に食事でもと誘うと彼女は「夜はデートがあるから午後4時なら」と見栄を張り着飾って部屋を訪れるのだった。リッツの豪華な料理が運び込まれ専属のジプシー楽団4人が奏でるFile No.83『昼下りの情事』
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