日本で初めて軟水による醸造法を完成させ《吟醸酒の父》と呼ばれた三浦仙三郎の苦闘と、その「魂」を受け継いで新しい吟醸酒造りに挑む現代の女性を描く感動作『吟ずる者たち』が11月5日(金)から八丁座、Tジョイ東広島、呉ポポロシアター、福山駅前シネマモードで先行公開される。それに合わせて5日と6日、主演の比嘉愛未と中村俊介が4劇場を駆け回って舞台挨拶する。
この作品は、竹原出身の脚本家・仁瀬由深(ひとせゆみ)が仙三郎の業績を綴ったシナリオを基に、秀作『飛べ!ダコタ』でタッグを組んだ油谷誠至監督(あぶらたにせいじ/竹原出身)と安井国穂が加わって現代編を加筆、広島の酒蔵をはじめ多くの地元企業の協賛を得て映画化が実現した。撮影は、竹原の重要伝統的建造物群保存地区の松阪邸や森川邸、頼惟清邸…そして藤井酒造も協力。さらに仙三郎の故郷・安芸津の今田酒造、酒処・西条の賀茂鶴、白牡丹、賀茂泉、福美人、倉橋の林酒造などなどで新旧の酒蔵も使い全編、広島でロケした。
加えて、撮影=小松原茂、美術=稲垣尚夫、照明=山川英明といった日本アカデミー賞受賞経験者をはじめ、監督補=桑原昌英、ヘアメイク=井川成子も含め、主要スタッフは名匠・今村昌平監督の作品群で活躍したベテラン。その“匠の技”が醸し出す映像美が秀逸―という試写評が多く寄せられている。
共演は、広島出身の戸田菜穂、山口良一のほか、渋谷天外、大和田獏、丘みつ子、川上麻衣子、中西良太、螢雪次朗ら。また、第1回「全国清酒品評会」で1位になった「龍勢」を賞賛する仙三郎の書を受け継ぐ竹原「藤井酒造」の藤井善文社長が、そのエピソードを紹介するシーンで出演しているほか、広島出身の役者・松尾潤が「サタケ」創業者の佐竹利市役に扮して故郷に錦を飾っている。
なお、舞台挨拶については各劇場に問い合わせを。
※八丁座=☎082・546−1158/Tジョイ東広島=☎082・493−6781/呉ポポロシアター=☎0823・24−6609/福山駅前シネマモード=☎084・932−3381