映画・TV新着情報

HOMEは原爆をめぐる2本の秀作ドキュメンタリーを放送

 広島ホームテレビでは“8・6”の直前に、特番原爆資料館 閉ざされた40分検証G7広島サミット 1時間SP』8月4日(金)25時25分〜26時25分に放送する。
 今年5月、初めて被爆地・広島で行われたG7サミットには、核保有国3カ国を含むG7首脳が広島に集まった。首脳たちは平和記念資料館を40分にわたって視察したものの「完全非公開」だった。核保有国、中でもアメリカに配慮?したとも言われていたが、それにしても歴史的な「視察」はなぜ隠されたのか、首脳たちは何を見て、何を感じたのか―。「閉ざされた40分」の取材を進めていくと、サミットに翻弄された被爆地の姿が見えてきた。6月に全国放送し「ギャラクシー賞」月間賞を受賞した「テレメンタリー」に、追加取材で検証を深めた1時間スペシャル版。
HOME/資料館へ向かう各国首脳


また、終戦78年の特番として踏まれても 踏まれても~ゲンと子どもたちの半世紀(仮)』8月19日(土)10時45分~11時15分に放送する。

 原爆投下後の広島を舞台にした漫画『はだしのゲン』は、被爆者・中沢啓治さん(1939〜2012)の自叙伝ともいえる作品。1973年6月に週刊「少年ジャンプ」で連載が始まり、今年で50年の節目を迎えた。そんな時、広島市内の学校で使われている「平和ノート」から《ゲン》の記述が削除されたことが全国的に大きなニュースとなったのは記憶に新しい。議論の対象となりながら、《ゲン》はどのように読み継がれてきたのか―。少年少女や教育現場、そして今も啓治さんへの思いを抱く妻ミサヨさんへの取材から、漫画『はだしのゲン』の真価を探る。
HOMEゲンと子供たちと中沢さん

TSSの8・6報道特番は語り部・小倉桂子さんに密着2年半

 テレビ新広島では8・6報道特別番組アイ アム アトミックボム サバイバー小倉桂子が伝え続ける理由8月6日(日)14時〜14時55分に放送する。
 小倉さんは英語で被爆証言をする数少ない語り部の一人で、今年のG7広島サミットで各国首脳に面会したことで注目された。8歳の時に爆心地から2.4㎞の牛田で被爆した小倉さんは長年、自らの被爆体験については口を閉ざしてきた。が「広島平和記念資料館」の館長だったご主人が平和宣言の草稿を執筆中に急死―。交流のあった海外のジャーナリストからも後押しされて、小倉さんは夫の遺志を継いで被爆証言者の通訳をすることになり、必死に英語を学び直す日々が続いた…。その後、通訳から語り部に転身した経緯や、コロナ禍で機会が激減した際の新しい試み、そして多くの被爆者が直面する“残された時間”との闘いをめぐる小倉さんの思いや精力的な活動を2年半にわたって追ったドキュメンタリー。
TSS小倉桂子さん特番

 小倉さんはいつも「私の役目は、若い人の心のロウソクに火を灯して、私がやらねばという気持ちを起こさせること」と話すという。石井百恵ディレクターは、「私もいつの間にか火を灯された一人なのだと思い、気が付けば番組になっていました。ロシアによるウクライナ侵攻で平和への思いが揺らぐ今こそ、見えない苦しみを抱えてきた被爆者の声に耳を傾けてほしいです」と熱く語る。
 ナレーターは8月15日生まれの俳優・岡田将生。「いつか平和について自分にもできることがあれば関わりたいと思っていました。この作品では小倉さんの気持ちを背負い、寄り添ってこの出来事を伝えたい―という思いで臨みました」とコメントを寄せている。

Nスペでは原爆開発裏面史、BSでは戦争の傷跡を遺す島を特集

 今年の夏のNHKスペシャルは原爆 ウラン争奪戦〜1938–2023 知られざる攻防(仮)』と題し、8月6日(日)21時〜21時49分に放送〔全国向け/NHKプラス見逃し配信あり〕
 1938年に「核分裂」が発見されたことでアフリカのコンゴ民主共和国にある「シンコロブエ鉱山」が注目を集めた。ここでは世界でも最高純度のウランが産出されていたのだ。その関連未公開資料から、そのウランをベルギーの商人エドガー・サンジェがアメリカに持ち込んで、そこから世界を支配する“最終兵器”の開発が加速したことが明らかになった。大戦後も米ソをはじめ各国のウラン争奪戦が繰り広げられた…。番組では、その新発見資料や関係者の証言をもとに、鉱山と核開発の歴史を紐解いていく。
Nスペ/ウラン争奪戦

 またBSでは、終戦特集番組として戦争遺産島8月12日(土)18時〜19時29分にBSプレミアムとBS4Kで全国放送する。
 日本の各地に点在する島々には大戦下の本土防衛などを目的とした砲台跡などが残る「戦争遺産島」が数多くある。大半は朽ち果て、当時を知る人も減ってきたが、今回はドローン撮影などで全貌を捉え、島民の証言や兵士の手記、軍の記録などから戦争の悲劇を炙り出す。
戦争遺産島/似島S
 今回、訪ねるのは200以上の戦争遺産が残る鹿児島県の奄美大島・加計呂麻島、特殊潜航艇「回天」の訓練基地があった山口県の大津島、東京湾の要塞のひとつだった神奈川県の猿島、そして被爆者およそ1万人が運び込まれたという広島県の似島。
 広島・宇品港から4㎞沖合に浮かぶ似島は日清戦争直後から太平洋戦争終結まで、帰還兵を迎える陸軍検疫所があった。医療器具や医薬品などが揃っていたため原爆投下直後から被爆者が運び込まれ、野戦病院状態になったが…。

NHK“8.6”は『いのちのうた』や5時間超特番など今年も多彩に

 NHK広島放送局では78年目の“8.6”に合わせて特別番組を相次いで放送する。まず《広島から、音楽で命と平和の尊さを!》をテーマにしたいのちのうたフェス20238月4日(金)19時30分〜20時42分に放送する〔中国地方向け/NHKプラスによる見逃し配あり〕
いのちのうた2308

 出演はAI新浜レオン夏川りみ島谷ひとみSTU48HIPPY、話題の高校生シンガー久保陽貴の面々。司会はアンガールズ田中卓志山根良顕)と本田望結小野文恵アナウンサー。歌や踊りのほか、戦火を逃れて日本に来た女優サヘル・ローズが被爆者にインタビューするVTRコーナーも。

 8月6日(日)の「原爆の日」には広島平和記念式典の中継を終えた午後、5時間を超える生放送の特番ヒロシマを未来へつなぐ(仮)』第1部=13時05分〜17時50分、第2部=19時30分〜20時に放送する〔広島県内向け/NHKプラスによる見逃し配信あり〕
 これは、同局が放送してきた核やG7広島サミット関連の番組を紹介しながら、スタジオで平和について語り合うもの。ゲストは加藤シゲアキ春香クリスティーン崇徳高校新聞部の生徒たち。司会は出山知樹アナウンサー
ヒロシマを未来へ

 討論のほかにも、同局が特別な許可を得て原爆ドーム内を“360度”撮影し、出山アナの案内でドーム内を体験ができるVR映像も紹介される。
 また番組内で紹介される、同局が「国立原爆死没者追悼平和祈念館」の協力を得て開発した「被爆証言応答装置」を8月5日(土)〜7日(月)に同局4階の「8Kスーパーハイビジョンシアター」で公開する。ちなみにこの応答装置はG7広島サミット期間中、広島グリーンアリーナに設けられた国際メディアセンターで展示体験され、海外のジャーナリストなどから「驚いた。こうしたメッセージを次世代へ伝え続けられるのは貴重で、素晴らしい取り組み」(英G7メンバー)、「第二次世界大戦を経験した証言者がいなくなるのは世界共通の問題。 ぜひ世界にこの展示を広めて欲しい。ぜひドイツに持ってきて欲しい。多くの人の心に響くと思う」(独記者)、「アメリカなどでは被爆証言を聞く機会は少ない。アメリカ人も被爆証言を聞くことに前向きでないような印象すら受ける。海外でも、このような装置を使って広島の被爆証言を聞けるようにできたらいいと思う」(仏記者)など大きな反響があったという。