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今年のNHK“8・6ドラマ”は国際共同制作『太陽の子』

 これまでNHK広島放送局では『赤レンガ』など多くの“8・6ドラマ”を放送してきたが、被爆75年にあたる今年は本局が中心となって国際共同制作の映画『太陽の子と、違う視点で描く“8・6ドラマ”版『太陽の子を制作、終戦記念日の8月15日(土)19時30分〜20時50分に総合テレビとBS8K・BS4Kで放送される。
 第二次大戦下、日本帝国海軍は京都帝国大学物理学研究室に密命を下した。それは、核分裂エネルギーを使った新型爆弾を作れ―というもの。Fission(核分裂)から暗号名「F号研究」と呼ばれた秘密研究にあたり、科学の平和利用を目指す研究者たちは兵器を開発することに苦悩しながらも、列強の攻撃から祖国を救うためと信じて実験に取り組む…。
 湯川秀樹博士も関わったという実話を基に、戦時下の若者たちの苦悩を描く青春群像劇。作・演出は、NHK広島放送局制作の名作帽子(2008年/緒形拳主演)や、国際賞を受賞した“広島発ドラマ”の秀作火の魚(2009年/原田芳雄・尾野真千子主演)などを手掛けた黒崎博ディレクター
柳楽・有村・三浦3S 出演は、純粋に研究に取り組むうち時代の波に翻弄される若き科学者・石村修に柳楽優弥、その弟で戦争に真正面から向き合うことになる裕之に三浦春馬、兄弟が秘かに思いを寄せる娘・朝倉世津に有村架純。このほか、三浦誠己尾上寛之渡辺大知葉山奨之奥野瑛太イッセー尾形山本晋也國村隼田中裕子ら。
 また、物語の基になった実話を物語る新発見の資料や、関係者の日記などを綴りながら“原爆開発者”の苦悩を描き出すドキュメンタリー特番『“F号研究に関わった科学者たち(仮題)も8月中旬にBS1で放送する。

NHK広島が年末まで「SNS日記で綴る75年前の広島」

 被爆から75年が経ち、若い世代にとっては戦争も原爆も遠い過去、教科書に載っているだけの出来事になりつつある。そこでNHK広島放送局では被爆75年キャンペーン《Reality? 知ってるつもり 知らないヒロシマを年間企画として多彩な番組などを展開する。
 そのうち注目すべきは1945 ひろしまタイムラインもし75年前にSNSがあったら?。これは昭和20年に広島で書かれた3冊の日記をもとに、当時の“普通の生活”ぶりを現代の目線で伝えようというもの。広島市民11人が日記や資料を元に想像を膨らませながら、日記の日付にシンクロさせたうえで当時の人物に成り切ってTwitterを毎日、年末まで投稿する。すでに3月26日に開設されたアカウントは、
①当時の中学1年生シュンちゃんの日記=@nhk_1945shun
②当時の中国新聞記者・一郎さん(30代)の日記=@nhk_1945ichiro
③当時の20代の女性やすこさんの日記=5月18日から発信予定
 この企画の舞台裏を紹介するラウンドちゅうごく/1945 ひろしまタイムライン 春~もし75年前にSNSがあったら?』4月3日(金)19時30分から総合テレビで放送する。
再放送は翌4月4日(土)7時30分から。いずれも中国ブロック向け(山口県を除く)

 メインキャスターは今春、4度目の広島赴任で“第二の故郷”に帰ってきた出山知樹アナ。「これまでの広島時代にやり残したこともあります。被爆体験を継承しているだけじゃなく、考えて行動する年にしたい」と意気込んでいる。
 この日の放送では、ゲストに広島育ちのモーリー・ロバートソンをはじめ、若者代表としてりゅうちぇるぺえを迎えて、“新しい発見”について語り合う。
※特設HP=https://www.nhk.or.jp/hiroshima/hibaku75/timeline

 また《Reality?》のシリーズ企画被爆者たちの声を夕方のお好みワイドひろしま(月〜金曜・18時10分内で月に2回(隔週金曜)に放送する。
 被爆者の高齢化で「記憶の継承」が重要課題となる中、改めて被爆者にマイクを向け、次の世代に何を伝えたいか―に耳を傾けながら、これまで表に出されなかった新たな“記憶”も引き出す。
 『お好みワイドひろしま』のメインキャスターは今春、広島に赴任した松尾剛アナが担当。長崎出身の松尾アナは、今年度の番組テーマ「いっしょに納得 いっしょに今を」をベースに、共有と共感の時間を一緒に過ごしたい―と抱負を語った。
 このほか《Reality?》企画として、8K撮影の語りだす被爆建物、長崎局との共同ラジオキャンペーン『手紙(レター)、キミに伝えよう』、アーカイブス企画シリーズ被爆75年 次世代へのメッセージを放送する。このうちアーカイブスは、
原爆資料館からのメッセージ4月5日(日)7時45分
「“ゲンすず が伝えるもの4月12日(日)7時45分
ヒロシマを受け継ぐ若者たち4月19日(日)7時45分
いずれも総合テレビで・広島県内向け