映画・TV新着情報

HTVが伝説の秀作『碑(いしぶみ)』を是枝裕和監督でリメイク

 広島テレビでは、戦後70年特別番組いしぶみ〜忘れない。あなたたちのことを』8月1日(土)13時30分から全国放送する。これは同局が昭和44年に制作・放送した特番『碑』(脚本=松山善三・朗読=杉村春子)をリメイクしたもので、脚本・演出に是枝裕和監督(写真右)を迎え、朗読を綾瀬はるか、そして取材ナビゲーターを池上彰(写真左)が担当。いしぶみ会見61
 かつて同局の報道制作部長だった薄田純一郎氏は昭和20年に旧制県立二中を卒業、被爆当時は岩国に居て無事だったが、母校の後輩たちは建物疎開に動員されて被爆し、「全員死亡」と伝えられた。そこで薄田部長は1年生322人の“最期”を知りたい—と全ての遺族に手紙を出して手記を求めたところ、半年で226人から返信があった。肉親と再会し家族を思いやる言葉を遺して息を引き取った生徒もいたなど、さまざまな悲話があったと分かった。彼らの遺影を配しただけのシンプルなスタジオでそれらの手記を朗読するという画期的な手法で作られた『碑』は芸術祭の優秀賞を受賞、広島制作の“8・6”番組の秀作として今も語り継がれている。
 今回、リメイク版を託された是枝監督は、「オリジナルでの杉村さんの感情を抑制した語りは、かえって切実さが伝わった。それに敬意を払って手法は踏襲し、スタジオの装飾や照明は抽象度を増すかたちにして見る人の想像力で完結するものにしたい」と話す。さらに「生き残った人が同級生の死をどう受け止め、その後どう受け継いで生きてきたのか―を取材して、その思いを現代に蘇らせたい」と言う。
いしぶみ本S また、かつてNHK呉通信部に勤務し“8・6”番組を作った経験もある池上は、「戦争を防ぐには、前の戦争がいかに悲惨だったか、それが今も続いているんだと伝えることが大切。そういう番組のお手伝いができれば…」と広島ロケに臨んだ。
 ちなみに、昭和44年に集められた手記をまとめた本に、今回のナビゲーター池上彰の解説を収録した新装版いしぶみ〜広島二中一年生全滅の記録』写真下=広島テレビ放送編/ポプラ社刊/1,300円+税)が発売された。

NHKドラマ「一番電車が走った」で黒島結菜と阿部寛が広島ロケ

 NHK広島放送局では、戦後70年特集ドラマ一番電車が走ったを制作、さきごろ広島ロケを行い、主演の黒島結菜阿部寛が熱演した。一番電車020S
 このドラマは、被爆から3日後に広島電鉄の路面電車が焦土の街を走り始め、1カ月後には大半の路線が復旧した史実を基に、運行再開に向けて奮闘した人たちを描くもの。黒島が扮するのは、一番電車を運転した雨田豊子さん(当時16歳)。電鉄家政女学校で学びながら車掌として働いていたが、戦地に赴いた男性運転手に代わって運転席に立つことに…。一方の阿部は、寸断された架線と電源を修復しようと東奔西走した広電の電気課長・松浦明孝氏(当時45歳=故人)を演じる。
 6月20、21の両日は広電の江波車庫内で、被爆当時も走っていた
“大正電車”100系を使い混乱する車内の様子などを撮影した。ロケを前に雨田さんから直接、当時の様子を聞いた黒島は、「最初は当時の惨状が信じられなくて…。でも、未来に向かって歩き出す豊子さんたちの力強さを知り、撮影現場ではその雰囲気を感じながら演じました」と、神妙な表情で話した。また事前に松浦さんの墓参りをしたという阿部は、「地獄絵図の中で広島の人たちがどう生きたか―を、前向きに走った松浦さんを通して感じていただければ嬉しい」と。

 このドラマは8月10日(月)19時30分から総合テレビで全国放送される。

NHKドラマ「赤レンガ」に歌手プリシラ・アーンが主演、広島ロケで好演

 NHK広島放送局の被爆70年特集ドラマ赤レンガが6月13日にクランクイン、7月上旬まで広島市内でロケした。主演は、スタジオジブリのアニメ『思い出のマーニー』で主題歌を歌ったプリシラ・アーン。ロサンゼルス在住のシンガー・ソングライターで日系4世のアニーを演じる。
赤レンガ066S 物語は、CDデビュー目前のアニーが仕事と結婚との間で揺れる中、祖父ジェームズ(宝田明)が遺した手紙を届けるために広島を訪れる。その昔、彼は広島の陸軍被服支厰で働く月子に心を寄せていたが、日米開戦によって引き裂かれた。それから70年余り、被爆建物の被服支厰を保全する会に招かれ帰郷した月子(奈良岡朋子)はアニーと出会い、辛い思い出を語りはじめる…。
 一昨年のドラマ『基町アパート』でヒロシマを“知る”少年を描き昨年のドラマ『かたりべさん』でヒロシマを“語り継ぐ”ことを決意した若者を描いた大橋守ディレクターは今回、脚本も担当し「その次に自分は仕事を通じて何が出来るか—を考えるアラサーの女性を描いた」と話す。歌手のプリシラを起用したことについては「旧知のシンガー・ソングライターで、ジブリに紹介したのは私。彼女の表現力と多彩な表情なら適役だ!と確信してオファーしたら、ヒロシマの問題に共鳴し快諾してくれた。セリフを自分のものとして咀嚼したうえで未来へつなぐ
“思い”をナチュラルに演じてくれた」とも明かす。

 そのプリシラは、ドラマの主題歌「All People Can Change」を書き下ろし、6月27日に約100人の公募エキストラを集めて旧被服支厰で行われたクライマックスのコンサート場面の撮影(写真)で美しい歌声を披露した。ロケを終えたプリシラは胸を撫で下ろしながら「日本語のセリフが難しくて、歌う時よりも緊張しました」と爽やかな笑顔をみせた。
 なお、このドラマは9月11日(金)19時30分から総合テレビで放送される。

HOME「恋とか愛とか…」が横川シネマで公開録画

 広島ホームテレビの人気深夜番組恋とか愛とか)』木曜/24時15分〜24時35分)の公開録画が7月5日、西区横川町の「横川シネマ」で行われた。
恋とか公録26 ステージのソファーには番組進行の“恋愛マエストロ”役、人気ブロガーのコラムニスト&エッセイストの犬山紙子と、元HOMEアナウンサーでお笑い芸人「ラフレクラン」として活躍中の西村真二が登壇し、軽妙で時に際どいトークを繰り広げて“地元ネタ”の恋愛ドラマ再現VTRを独自分析していく。通常と違うのは「ここで次にヒロインがとる行動は?」の二択を、いつものインターネット投票ではなく会場に詰めかけたファンの拍手の大きさで決定して次の展開に進むという趣向。最前列に何故か子供が居たため犬山と西村は表現や言葉遣いに気を配りながら、体験談も含めて恋愛トークを展開し、会場の女性たちも巻き込んで盛り上げていった。
 今回、収録された“エピソード4”、ウブな女子大生の恋愛を描く「初めての女」編は7月23日(木)・24日(金)の2夜連続で放送される。
 公開録画の後に、いつもドラマで主演している東広島出身の俳優さいねい龍二がスペシャルゲストとして加わりトークショーが行われた。県外からもファンが駆けつけており、黄色い声が飛び交う中で撮影の裏話や恋愛談義を繰り広げた(写真)

「きみはいい子」の高良健吾が広島で舞台挨拶

 注目作きみはいい子呉美保監督シネツインで上映中)で主演した高良健吾が7月4日に来広し、シネツインの舞台に立った。超満員の客席を前に「立ち見というか、座り見というか…こんなに(お客さんが)入っている劇場に久しぶりに来ました。嬉しいです」と第一声。いい子/高良健吾撮影会
 小学校内外のさまざまな問題に振り回される教師を演じた高良は「先輩たちから子供たちの芝居にはかなわないと聞いてて不安だったけど、じゃあ勝負しなきゃいいと思ったら気が楽になって、子供たちとのシーンが楽しくなった」と明かす。さらに「この役のおかげで、僕も将来のことを考えたり、子供たちと向き合いたいとか、ちゃんと会話したいし聞きたいし抱きしめたい…と思えたし、自分が変われた」とも話す。そして呉監督の言葉を引用して「人は人によって傷つけられるし、人によって救われる—そういう映画です」と締めくくった。
 最後に「こういう映画って宣伝が難しくて…口コミが大事で、皆さんの力が必要なんです」ということで“撮影タイム”を設けた。観客は一斉に携帯電話やスマホを取り出してシャッターを押し続け、高良は笑顔で手を振りながら「フェイスブックやツイッターで宣伝してください。“きみはいい子”でタグを付けて!」とファンサービスにつとめた(写真)

HOME「鯉のはなシアター」で津田恒実の秘話に奥田民生が感動

 広島ホームテレビの人気番組鯉のはなシアター(水曜/24時40分)7月22日放送分は第50回記念で枠を30分に拡大しての特別版炎のストッパー津田恒実が愛し愛された故郷を紹介する。
鯉ばな奥田・桝本 22年前、オールスターゲーム中に訃報が流れたカープの名投手・津田恒実―。1981年にドラフト1位指名を受けてカープに入団し、球団初の新人王に輝いた津田は、その後ケガに悩まされたが抑え投手として復活、最優秀救援投手のタイトルをとるなど輝かしい活躍を見せた。その勇猛果敢な姿から“炎のストッパー”と呼ばれ、ファンを魅了していった。そんな津田投手が生まれ育った山口県に語り継がれるエピソードとは?
 ゲストは広島出身のミュージシャンで、今年11月28日に「奥田民生ひとり股旅スペシャル@マツダスタジアム」開催を控える奥田民生(写真左)