NHK広島放送局が制作する今年の“8.6ドラマ”『ふたりのキャンバス』のロケがさきごろ広島市内で繰り広げられた。物語は、広島市立基町高校の美術部が10年前から取り組んでいる「原爆の絵」活動を題材に、重い口を開いた被爆者と、想像を絶する惨状に向き合い絵筆をとろうとする女子高校生を描くもの。
主演はNHK連続テレビ小説『あさが来た』で主人公の長女を演じて注目され、実写版『魔女の宅急便』に主演するなど目覚ましい活躍をみせている小芝風花。そして被爆証言者にはベテラン近藤正臣、同級生役に昨年の広島発“地域ドラマ”『舞え!KAGURA姫』にも出演した中村ゆりか。
ロケは5月13日から10日間にわたり基町高校とその周辺を中心に市内各所で行われ、基町高校の教師や生徒も多数、エキストラとして協力した(写真下)。制服を着て“基高生”になりきった小芝(写真上)はヒロシマについて、「教科書に載ってることは習ったけど、遠すぎて実感がわかなくて…本当に日本でそんなことが起きたの!?と思ったほど。でも被爆証言者の方たちのお話を聞いてすごく重くて貴重な経験をさせていただき、その時に感じたものをそのままに等身大の女子高生を演じて、若い人たちに“継承”していければ…」と話す。
一方の近藤は「この学校で2年生、3年生になる子は毎年うまれます。でも、被爆者は毎年、亡くなっていく…。そんな中で10年前からこの活動をしているのは大したもんです。でも、あと何年できるんだろう…。後期高齢者になった私はこういうテーマで演じさせてもらうのはラストチャンス。このドラマも、そういうものの一つだと思っています」と語った。詳細は本誌8月号で特集。
このドラマは総合テレビで、8月1日(火)19時30分から中国地方向けに放送、さらに8月5日(土)15時05分からは全国に向けて放送される。
またドラマの撮影現場を紹介しながら、基町高校の生徒と被爆者との被爆体験継承活動をカメラで追ったドキュメンタリー『高校生が描く“原爆の絵”〜ヒロシマ8.6ドラマ「ふたりのキャンバス」の舞台裏』を
7月14日(金)19時30分から総合テレビで中国地方向けに放送する。