NHKでは「SDGsキャンペーン」の一環としてSDGs17の目標ごとに2分間のショートドラマを制作し、NHKワールドJAPANで国際発信している。その“姉妹編”としてNHK広島放送局が「平和」をテーマにショートドラマ『あの日、おばあちゃんが教えてくれたこと
〜Pray for Peace』を撮った。主人公の女子高校生・平塚和未(なごみ)にはファッションモデルとしても活躍する広島市出身の女優・永瀬莉子、恋人・土橋航平役には長崎出身の佐久間悠、そして和未の祖母・絹江役にはベテラン竹下景子という理想的な配役。
小中学校で平和教育を受けてきた永瀬は「当時の私は凄く衝撃的で受け止めきれなかったけど、被爆された方の中には当時10代の人も多かったと聞きましたし、とても悲惨なことがあったんだと認識した記憶があります。今回のドラマを通して私たち若い世代が繋げていくというか、伝えて、今の広島を守っていけたら」と熱く語る。
同様に“ナガサキ”にふれて育った佐久間も「毎年8月9日には黙祷を捧げていました。でも当時は小さかったので、そんなことがあったんだくらいで止まってたと思うんです。だけど、それが積み重なって、今こうして20歳を超えてこのドラマに携わって(被爆が)より身近に感じるというか、二度と戦争があっちゃいけないんだ」という思いを伝えたいと話す。
一方、名古屋出身の竹下は中学2年の修学旅行で初めて広島を訪れ、平和公園や原爆資料館を見学した。「なので私にとっては最初から“ヒロシマ”でしかなかった。むしろ最近になって映像のお仕事とかで今の広島を知るようになって、水の都であったり美味しいものがいっぱいあったり…そういう“生活”の部分を感じるようになりました。そんな中で、今の原爆ドームが被爆する前にはランドマーク的な建物だった、産業や文化の拠点だったと見聞きした時、あぁ戦争前は普通の生活があったんだ! “すずさん”じゃないですけど、急にふわーっと自分の中にそういう思いが広がって、これは広島だけのことではないっていうのか、たくさんの人々の生活が、命が、確かにここにあったんだということが重い事実として伝わってきたのを改めて思い出しました」と溢れる思いを語り、今回のドラマ出演で「責任の重さも感じて、短い中でも大事なエッセンスをきちんとお伝えしなければ…と思っています」と締めくくった。
永瀬と佐久間は昼間、平和公園で撮影し、竹下は夕方から「灯籠流し」の回想シーンに臨んだ。なお、12月7日(火)夕方の「お好みワイドひろしま」で広島ロケのメイキングを紹介、ドラマは12月8日(水)20時42分からと同11日(土)16時58分から広島県内向けに放送される。以降は調整中。