広島市映像文化ライブラリーでは、2月21日(土)に錦織良成監督を招き《ディレクターズ・トーク》を開催する。14時から錦織監督のトーク(聞き手は映画通パーソナリティーの兼永みのり)、15時10分から近作『渾身』を上映する。
高橋かおり主演『BUGS』(1997)で劇場用映画デビューした錦織監督は、菅野美穂主演『守ってあげたい!』(1999)で注目され、故郷・平田市(現出雲市)の海辺の高台に建つ小学校で実際にあった“小さな奇跡”を映画化した感動作『白い船』(2001)がロングラン・ヒットし、ロケ地に観光客が押し寄せて「ご当地映画」の先駆けとなった。さらに雲南市を舞台にした『うん、何?』(2008)で古里を見つめる若者たちを描き、続く『RAILWAYS〜49歳で電車の運転士になった男の物語』(2010)では中井貴一を主人公に据えて、宍道湖畔を走るローカル電車の運転士の悲喜こもごもを感動的に描いた。この“島根三部作”に続き、隠岐島に伝わる古式相撲を題材に現代の若者の帰郷と再出発を描いたのが『渾身』(2012)だ。
錦織監督がここまで島根にこだわるのは「世界に誇れる故郷」を発信したいからだと話す。八岐大蛇伝説にも投影される島根の「古代たたら製鉄」は宮崎駿監督の『もののけ姫』にも描かれているが、この古代の製法で作られた剣は、現代の最新技術でも敵わない強靭さを持っている。つまり、相撲や歌舞伎の発祥地でもある出雲の国は、あらゆる点で「時代の最先端を走ってきた、自慢の故郷」だという。
最新作は、たたら製鉄を題材にした『たたら侍』。『渾身』に続いて劇団EXILEの好漢・青柳翔を主演に迎え、EXILEが製作にも加わる。初の時代劇に挑む錦織監督からどんな話が聞けるか—。なお鑑賞料は大人510円、65歳以上のシニア250円、小中高生無料。
また2月14日(土)15時からは《メディア・レクチャー》が開かれ、本誌編集長・中野良彦が「今だから話そう 映画界の裏側」と題し、とっておきのネタを2時間たっぷり語る。入場無料。
※いずれも問い合わせは同ライブラリー=℡082・223ー3525