NHK広島放送局では、戦後70年特集ドラマ『一番電車が走った』を制作、さきごろ広島ロケを行い、主演の黒島結菜と阿部寛が熱演した。
このドラマは、被爆から3日後に広島電鉄の路面電車が焦土の街を走り始め、1カ月後には大半の路線が復旧した史実を基に、運行再開に向けて奮闘した人たちを描くもの。黒島が扮するのは、一番電車を運転した雨田豊子さん(当時16歳)。電鉄家政女学校で学びながら車掌として働いていたが、戦地に赴いた男性運転手に代わって運転席に立つことに…。一方の阿部は、寸断された架線と電源を修復しようと東奔西走した広電の電気課長・松浦明孝氏(当時45歳=故人)を演じる。
6月20、21の両日は広電の江波車庫内で、被爆当時も走っていた
“大正電車”100系を使い混乱する車内の様子などを撮影した。ロケを前に雨田さんから直接、当時の様子を聞いた黒島は、「最初は当時の惨状が信じられなくて…。でも、未来に向かって歩き出す豊子さんたちの力強さを知り、撮影現場ではその雰囲気を感じながら演じました」と、神妙な表情で話した。また事前に松浦さんの墓参りをしたという阿部は、「地獄絵図の中で広島の人たちがどう生きたか―を、前向きに走った松浦さんを通して感じていただければ嬉しい」と。
このドラマは8月10日(月)19時30分から総合テレビで全国放送される。